なんとなくわかる高校化学

同位体

【まとめ】同位体とは中性子の数が異なる原子のことで、水素の同位体(重水素、トリチウム)や炭素の同位体(14C)が有名

前回の同位体の説明が長くなってしまったため、ここに後半を書きます。

前のページでも書きましたが、同位体の特徴として覚えておかないといけないことは以下の3つです。

同位体で覚えておかないといけないこと

【1.同位体の表記の仕方】
水素の場合は中性子数が異なると原子の名前が異なりますが、ヘリウムなど他の元素では中性子が1つでも2つでも「ヘリウム」です。
「ヘリウム」と聞いただけでは中性子が1つか2つか判断できません。

そのため、中性子の数を示す場合には元素記号の左上に陽子と中性子を足した数(これを質量数といいます)を書き、左下に原子番号(陽子の数)を書きます

質量数、原子番号を記載した表記とその原子イメージ

※中性子に関するテストや問題でない限り、ふだんは質量数を意識することはないため、2つの数字は省略され、元素記号だけが書かれていることがほとんどです。

元素記号だけが書かれた表記


質量数関連のテスト問題の時は左上の元素記号と質量数のみが書かれている場合もあります

元素記号と質量数のみが書かれた表記

この表記の場合、ヘリウムは左上の数字から、質量数(陽子と中性子の数の合計)が4とわかり、ヘリウムの原子番号(陽子の数)が2のため、中性子の数は4-2=2となり、中性子数は2つとなります
※陽子の数は元素ごとに決まっているというルールがあるので、ヘリウムの陽子の数が2とわかります。

【2.水素の同位体】
この前のページでも説明した様に、一般的に同位体には名前はついていないのですが、水素の同位体には名前がついています。

その理由には2つあり、水素は化学でよく扱う元素であるということと、水素は中性子が1つ増えるごとに原子の重さが大きく変化するという理由のため、同位体に名前がついています。

中性子が0のものは水素(H)、1つのものは重水素(D)、中性子が2つのものはトリチウム(T)と呼ばれていますが、重水素とトリチウムの重さはそれぞれ水素の2倍、3倍の重さとなります

重水素は元素記号 D、トリチウムは元素記号 Tと表記されることもあります

水素の同位体と質量数

※上図が水素、重水素、トリチウムそれぞれの原子イメージなのですが、水素は質量数が1のため、中性子が1つ増えて質量数2の重水素になると質量(重さ)が2倍,中性子がさらに1つ増えて質量数3の重水素になると質量(重さ)3倍となります

ちなみに、カルシウムなど原子番号が大きいものは中性子が1つ、2つ増えたくらいでは水素のように質量数が2倍などに変わることは変わりません。

カルシウムの同位体と質量数

水素の同位体の名前と、これらは中性子が増えると重さが2,3倍になるということは結構大事なので覚えておいてくださいね。



【3.炭素の同位体】
炭素は質量数が12の原子(陽子6つ、中性子6つ)が一般的で、その他に質量数が13,14のものがあるのですが、同位体関連で覚えておかなければならないのは質量数が14の炭素です。

炭素の同位体

質量数14の炭素(14C)が大事な理由としては質量数14の炭素が放射性を持っているためです。

※放射性という単語の意味はあまり気にしすぎず、覚えてください。。。イメージは原子が壊れやすいという感じです。


そして、質量数14の炭素は放射性があることから放射性同位体とも言われており、14Cには半減期というものもあります。

この半減期という言葉も非常に大事なのですが、半減期とは何かというと、この14Cの数が半分になるのにかかる時間のことであり、14Cの半減期は5,700年と決まっています。
※例えば、14C原子が100個あったとしたら、半分の50個になるのは約5,700年、さらに半分の25個になるのはそこからまた約5,700年(計11,400年)かかるということです。

そして、この原子の数が半分になることの何が重要なのかというと、14Cのこの5700年で半数に減るという特徴は、いろいろなものの年代測定に使われるいるのです。

どういうことかというと、日本や世界の遺跡などで昔のものが発掘されたときに、「これはX万年前に作られたと思われる」などとニュースで言っているのを聞いたことありませんか??

このように、昔作られたものがいつ頃作られたのか年代を特定するため使われるのがこの14Cなのです

というのも人間や木などのいわゆる「生き物」は炭素を多く体内に含んでおり、生きている間(生命活動をしている間)は14Cの数が一定になっているというルールがあります。
(今回は分かりやすく1万個とします。)

そして、14Cは5,700年で半分になるというルールがあるため、ピラミッドなどでミイラなどが発掘された際にそのミイラが含んでいる14Cの数をかぞえて、例えば5,000個しかなかったとしたら、そのミイラはおよそ5,700年前に作られたということがわかるのです。

他にも日本の遺跡から木片などが出土した時には、その木片の14Cを測定し、例えば2,500個しかなかった場合はこの木片はおよそ11,400年前に作られたということがわかります。

※10,000→5,000→2,500となるため、5,700+5,700年の11,400年前となります。


テストなどで14Cの特徴をよく聞かれることがあるので、「年代測定」という言葉とセットで覚えておいてくださいね。

少し長くなりましたが、以上が同位体に関する3つのポイントです。よく聞かれるので覚えておいてください!

まとめると、同位体とは中性子の数が異なる原子のことで、水素の同位体(重水素、トリチウム)や炭素の同位体(14C)が有名

読んでくれてありがとう!!